茨城民俗学会代表理事 今瀬文也
平成二十一年の新しい年を迎え、皆様には益々御健勝のこととお慶び申し上げます。
皆様には、御健勝のこととお慶び申し上げます。昨年、本会は創立四十五年を迎えました。会員の高齢化によって、退会者も多くなっていますが、若い入会者も増えています。
昨年、後半から解雇者が増え、百年に一度の経済危機に直面しています。文化なんて考える余裕がないと唱える人もあります。今こそ庶民の歴史である民俗学の出番、確実な記録を残したいものです。社会学や考現学の分野と思われるかも知れませんが、現在も民俗学は現在を起点にした学問になってきました。
町づくりや町の再生に努力していますが、シヤッター通りが、各地に広まっています。バイパスの完成や諸官庁移転などが旧繁華街を空洞化しました。そこには人は戻って来ません。そんな中で、今流行ってきたのが、雛祭です。
桜川市真壁町の土蔵群の雛祭が他の市町村にも伝播して、各地で行われました。結城市では、結城藩王の水野家の人形や結城紬の関連の創作人形が展示されました。また、常陸太田市では旧暦に合わせて展示しました。
今年度は「食」をテーマにした会誌『茨城の民俗四八号』にしまたいと思います。一冊すべて「食」の記事で埋めたいと思います。多方面の角度から「食」を見てゆきます。「道中記」に記録された食、農家、町屋、郷土食、古典の中の食とか、たくさんあります。皆さんの土地や家の食、広義には酒造、味噌,醤油の醸造などまで、広義にとらえて執筆願います。
総会記念の恒例行事は、茨城県立図書館との共催で、伝統的食物への誘い」として、講演会を催します。今、日本の食糧自給率は四十パーセント弱です。農家には休耕田が増え、ヤマといわれる所の樹木も伸び放題です。後継者になりたくない者が多いので農地は大変なことになっています。これらの研究をするのも民俗学です。
『茨城の民俗』の次号は四十八号になります。今まで毎号特集を組んできました。次号は「食」の特集を組みます。かつての本県は農業県で自給自足の生活をしていました。現在、自給率(地産地消など)は低いといわれ、輸入にたより、そして、それらに問題が起っています。十月の談話会に西野虎之介さん(スローフード茨城リーダー)の発表をいただきました。城里町の赤ネギが、国際的NPOのスローフード協会(イタリア)が提唱する「味の箱舟」に認定されました。伝統的野菜の栽培が、後継者の問題で困難になっています。
茨城の「食」を栽培から消費まで、取り上げてみます。結婚式、葬儀など施設を利用するので、昔の膳腕を使った料理も姿を消しています。ここで、食についての投稿などをお待ちしております