千手観音菩薩立像(鎌倉時代) 菊蓮寺(常陸太田市)
佐竹寺 常陸太田市

166回談話会         

日 時 令和7年11月22日(土)午後1時30分から(入場1時頃から) 

場 所 水戸市三の丸市民センター 会議室 (旧県庁隣り、水戸市三の丸)

発 表 「浜降り祭の研究」  — 霞ヶ浦沿岸の事例を中心に ―

発表者  佐賀 拓実さん(本会会員・小金井市文化財センター学芸員)

発表要旨

  人々が神輿と共に水辺へ巡行する「ハマオリ」の祭礼は、どのような分布が見られるか。「ハマオリ」は、神輿が水辺へと巡行する場合と、個人が水辺に下り水垢離を行う場合の二つがある。本発表では、前者の神輿と共に水辺へ神幸する「ハマオリ」の祭礼を考察する。先行研究では、「ハマオリ」の祭礼は東日本の太平洋側の諸社に広く見られ、御神体が禊を行い蓄積した穢れを払拭する事、弱体化した霊力を再生させる事に目的があると述べられている。各県単位での分布・考察された研究や報告書が出されているが、日本全国を俯瞰して見た研究は無く、全体的な諸相が見えにくい。そこで、本発表では各都県の区市町村史・郷土誌、報告書から事例収集を行い、日本全国の「ハマオリ」の祭礼分布の実態を整理し、「ハマオリ」の多種多様な諸相を明らかにすることを目指した。
 また、「ハマオリ」は、海辺で行われるものに着目されることが多く、特に海の水による浄化力や再生力に焦点が当てられている。それに対して、海辺ではない水辺、湖や川、池へも「ハマオリ」と称して神事が執り行われる事例があり、それらについて詳細に述べている論文は数少ない。 海辺以外の「ハマオリ」について水辺での祭礼に視点をおいた研究を行うことで、海水による浄化力や再生力とは異なる「ハマオリ」を示せるのではないかと考え、今回、霞ヶ浦沿岸における「ハマオリ」の祭礼の事例を中心に報告を進めたい。(佐賀)

    ※ 一般の方の聴講無料です(60名まで)。
    なお車の方は、近隣有料駐車場などの利用をお願いします。

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